【製品インプレ】CORRATEC「E-POWER X VERT CX」乗ってみた②

はじめに

eマウンテンバイク(以下、eMTB)は近年欧米、特に欧州で爆発的な広がりを見せ、スポーツサイクルのメインとなっています。

今回は普段からトレイルライドに出かけMTBレースにも多数出場経験のあるスタッフKによる「CORRATEC E-POWER X VERT CX(イーパワー・エックスバート・シーエックス)」のインプレッション記事となります。 

スペックや概要などは「E-POWER X VERT CX」乗ってみた①をご覧ください。

 インプレッション

エンデューロナショナルシリーズ元チャンピオンでもある弊社スタッフがインプレッションします。

登りが楽しい? BOSCHが提唱する「Up Hill Flow」とは

マウンテンバイカーたるもの下りの楽しみのためには登りの辛さにも耐え忍ぶ、多くの下り系MTBerは「正直登りなんてなくても良い」と思っていると思います。

(私だけでしたらすみません…)

 

eMTBの楽しさはまず登りの辛さが大幅に軽減されるところです。

舗装路のアプローチはもちろん、トレイル内もグイグイ登れてしまいます。

 

トレイル内の登りではeMTBモードが生きてきます。

今まで従来のBOSCH「Active Line Plus」ユニットや他社さんのMTB向けユニットを搭載したeMTBに多数試乗してきましたが、「トラクションコントロールが難しい」と正直感じていました。(BOSCH以外のメーカーさんのユニットは特にです…。)

 

特にダートの登りでは自分の意志に反したアシストが効いてしまうことでスリップすることもめずらしくありませんでしたが、CXユニットのeMTBモードはペダルへの入力に対して限りなくリニアにアシストが効くためスリップが大幅に減りました。

 

BOSCHが理想とする「ナチュラルなアシスト」がほぼ完成したと言っても過言ではないと感じました。

eMTBモードがもたらすあまりの登りの楽しさにBOSCHが謳う「Up Hill Flow」という言葉がしっくりきます。

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絶妙なトラクションコントロールを発揮する「eMTB」モード

では楽なのか?と言うとそうでもありません。

アシストは効くもののベースはあくまでペダリングですので「スポーツ感」は良い意味でしっかりとあります。

eMTBに乗ると今までただのアプローチに過ぎなかった登り区間も楽しめるようになりるでしょう。しかも下りに備えた体力を温存したままで!(もしかしたら楽しみ過ぎていつも以上に消耗してしまうかもしれませんが。笑)

気になる下り性能は?

お待ちかねの下りの性能はどうでしょうか?

eMTBのネックはその重量です。ほとんどのメーカーのユニットやバッテリー重量は大きく変わらないため、バイク本体の設計思想が非常に重要になってきます。

X VERT CXは①章にて説明したとおり、ヘッドアングルを寝かせトップチューブはやや長めリアセンターは短め「トレイルジオメトリ」を採用しています。

普段より少し大きな操作を心がけることで、面白いくらい良く曲がってくれるバイクに仕上がっています。

CORRATECが長年培ってきたアルミフレーム製造のクオリティの高さが操作性の高さに貢献しているように感じます。

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Photo『MTB日和』誌

またWTB製の27.5"プラスタイヤもeMTBの重量を受け止めるのに最適で、路面からの衝撃を吸収しつつ、しっかりと路面を捕らえてくれます。

よりアグレッシブにトレイルを楽しみたい方は、タイヤをもう少しノブの高いWTB「VIGILANTE 27.5x2.8」などに換えてみるのも良いかもしれません。

※パーツ交換により弊社が出荷時状態で取得している「電動アシスト自転車型式認定」外となる可能性があります。パーツ交換=道路交通法等に触れるということはありませんが、パーツ交換はユーザー様の自己責任にてお願いします。

トレイル以外では?

トレイルライド以外にも多くの用途でX VERT CXは活躍するでしょう。

点在するポイントを巡るフィッシングや、荷物の積載が必要なキャンプツーリング、山間に分け入るバードウォッチングの相棒など、様々な路面状況が考えられるアウトドア・アクティビティと抜群の相性の良さです。

X VERT CXの取り扱い方法は?

X VERT CXが採用しているBOSCHE eBike Systemタフでイージーな取り扱いが可能です。

バッテリーはバイクから取り外し可能ですので屋内でもAC電源から簡単に充電可能です。もちろん取り外さずにバイクに直接プラグを差し込み充電も可能です。

汚れた場合にも防水性が高いためバッテリーなどを取り外すことなくバイクを丸ごと洗車できます。

※通常のバイクと同様、高圧洗浄機での洗車は故障の原因となりますのでおやめください。

まとめ

X VERT CXはトレイルライドでの楽しさをもたらしてくれる「トレイルジオメトリ」とBOSC「CXユニット」との融合により、今までのマウンテンバイクの延長として使うこともできます。

また、X VERT CXの電動アシスト、MTBの持つキャパシティの高さを利用して、今までとは違うことにチャレンジするための頼もしい相棒となることでしょう。

・今まで走ったことのない長距離を走ってみたい。

・体力には自信がなくなったけれど昔のようにトレイルを走ってみたい。

・家族サービスの前に時短でトレイルライドを楽しみたい。

X VERT CXはこういった希望を叶えてくれる心強い味方です。

 

X VERT CXに興味を持った方はCORRATECウェブサイトを是非ご覧ください。

www.corratec-bikes.jp